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2022.01.05 新型コロナウィルス感染拡大と期限徒過 - 収束の判断

 特許庁はWebサイトの基準・便覧・ガイドライン下にある『「正当な理由」による期間徒過後の救済について』を公表し、柔軟な対応を取ってきました。また、2021年9月24日には、同Webサイトの災害関連情報の下に「新型コロナウィルス感染症により影響を受けた手続の取り扱いについて」および「新型コロナウィルス感染症により影響を受けた手続における「その責めに帰することができない理由」及び「正当な理由」による救済について」という2つの記事を設け、当面の柔軟な運用に関し、詳細な情報を提供しています。
 
特許庁は、これらの公表の中で、当面の間、証拠書類の提出を必須としないとしていますが、「本取り扱いの終了時期については、新型コロナウィルスの収束状況等を見ながら検討していきます。」とも記載しています。
 ある出願人からPCT出願の日本国内移行の依頼を受けたのですが、ご依頼を頂いた時点で優先権の期限を徒過していました。当所では上記運用に合わせ、証拠書類を添付せずに回復理由書を提出しました。出願人は個人であり、医師として長時間勤務に当たったこと、また本人も感染を経験したことから、救済可否の結果に関しては楽観視していましたが、予想に反して、事実が曖昧という理由で却下理由通知書を接受しました。
 回復理由を克服するためには、証拠書類の提出が必要になるかもしれません。今後、特許庁において感染状況の収束がどのように評価され、運用に反映されるのか、注意していきたいところです。